Interview04【豊島 夏奈】
豊島 夏奈 Toyoshima Kana

専門資格も経験もなく自信を失った…。私だからできることってなんだろう。
人との比較ばかりで、落ち込んでいた私を助けてくれたのは、DAOの仲間でした。
「人が好き」なありのままの自分に気がついて、再び前進できるように。優しくて柔和な笑顔に隠れた猪突猛進な一面も。
音楽漬けの生活をしていました
9歳から30代まで音楽にのめり込んでいました。チームで一つの音を奏でるには個々の技術力以上に内面が大切。
主張と協調……メンバー同士の日々の在り方が演奏に現れます。
音楽からは、お互いに成長し合える集団のあり方を学びました。
One for all, All for one.の精神で接する集団が、心地よいチームだと思っています。
大人になってから、ライブバーでアルトサックスを演奏していたり、セミプロのような状態で、ウエディングのバックミュージックを演奏したりしました。あの頃は、音楽の勉強をするために、札幌から東京まで通ったのですが、どうせなら東京に住もう!!と考えて、30歳で思い切って上京しました。
接客のプロから美容の世界へ
元々、人が好きで『将来は接客の仕事がしたい』と思っていました。
接客のプロになるならば、ホテル業界!!だと信じ、専門学校のホテル観光学科に進学しました。在学中からホテルのアルバイトに励み、ホテル業界に就職しました。
一方で、美容室に通うことも大好きだったので、ホテル業界にいながら、次第に美容室のコンシェルジュに憧れるようになったのです。その頃、運よく美容室のコンシェルジュ採用枠があり、とんとん拍子で、希望通りの職を叶えることができました。
数年経つと、美容室が新規でエステティックの支店を展開するということになり、会社の補助を受けて資格を取得し、エステティシャンとなりました。

義両親の介護経験で、美容の素晴らしさを体感しました
その後、結婚を機に、義母の介護生活を経験しました。
義母をデイサービスに送り出す時には、私がキレイにヘアセットまでしていました。
一緒に買いに行った髪飾りなども、鏡の前で2人で選んだり。エステティシャンとしてのスキルも駆使して、義母の生活の中には、美容があるのが当然でした。
そんな義母をみたデイサービスの利用者様やスタッフの方は、義母を褒めてくださるのです。義母もとても嬉しそうでした。
そんな様子から「美容がこれほど喜んでもらえるものならば、もっとたくさんの方に体験してもらえないだろうか」と考えるようになり、その頃、SNS広告で「介護美容研究所」の存在を知ったのです。義両親の介護が落ち着いた時期をみて、迷わず入学しました。
勢いよく、猪突猛進で集中!するタイプです
義両親の介護も、子育ても「ここまでできたら!」と決めたことは全て達成してきました。
今までしてきたことに対して、いずれも「悔いなし」と言いきれます。一つ「これをする期間!」と決めたら、それに向かって全力を尽くすのです。
今は「介護美容をやりきる」時期。
介護美容研究所の学生の頃から、ママ友のつてを頼りに、ボランティアとして介護施設へ通いました。
研究所で学んだことをアウトプットさせていただく機会として。また、高齢者の皆様との実際のコミュニケーションを学ぶ場として、1年半お世話になりました。
今では、施設長様からご紹介いただいた別の施設様と、ご契約をいただいています。このような状況で、介護美容の個人的な目標は、少しずつカタチになってきているように感じています。

介護美容が「美容室」のような存在になるべく邁進します
個人的な目標としては、目の前の人を幸せにしたい、ご家族の力になりたい、という思いは変わらず掲げています。
それに加えて、今は、介護美容を「美容室」のように広めたいのです。美容師さんが、学校を卒業すれば手に職があるように、介護美容セラピストが資格を取ったら、職がある。需要もきちんとある、という社会を目指したいのです。
そのためには、今まで以上に社会全体へ介護美容の認知を広げ、市場を整えていきたいです。
具体的に、どうしたらいいのかは明確ではないのですが、その開拓は、今活躍している私たちがすべきだと思っています。
介護美容もチームの一員に
介護現場では、一人の対象者を支えるために、多職種がそれぞれの得意な分野で最期の日まで寄り添います。例えば、リハビリスタッフがリハビリを提供して、介護職が、生活に必要なケアを提供する、といった具合に。
そのチームに、私たち介護美容のセラピストたちも、「仲間」として活動させてください。
私たちは、美容を手段として、対象の方の人生を支えて寄り添っていきます。
豊島 夏奈
Toyoshima Kana
- Lupinus carebeauty 代表
- 介護美容コミュニティ DAO glow upリーダー
- 保有資格:ケアビューティスト・ガイドヘルパー
- 活動地域:埼玉県

記事執筆
刈茅志保(かるかやしほ)
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