Interview08 【板谷 ゆか梨】
板谷 ゆか梨 Yukari Itadani

世界企業とつながった実力の持ち主は、「気がついたら、身体が動いています」とエネルギッシュなスポーツママ
人の役に立ちたい
10代の頃から、介護職として働いていました。実は、看護師に憧れていたのです。きっかけは、19歳で発症した腰の腫瘍でした。22歳で寛解するまで、3度の手術を受けました。20代前半で、生涯を車椅子上で送るかもしれない、と言われたこともあります。その時、一番近くにいたのが看護師さんたちでした。実際には、その後、3人の子供に恵まれたことで、看護師へ憧れる思いは、胸の奥底にしまっていました。
その思いを開放したきっかけは、当時の勤務先が、ウクライナから避難してきたご家族を受け入れたことでした。私が、そのご家族のお世話役を担当したのです。プライベートでも親しくなっていくうちに、「看護師になりたい」というよりも、困っていたり、悲しい思いをしている人の役にたちたいという思いが、強くなっていったのです。今ではその思いを叶え、介護施設で勤務しながら、介護美容活動をしています。

気がつくと、世界企業と仕事をしていました
私を見た友人は「イノシシみたいだよね」と、私を猪突猛進なタイプだと言います。振り返ると、確かに「理想のチームが見つからない」と思って、自分でビーチボールバレーのチームを結成したり、「楽しく身体を動かせることはないかな」と経験など何もないのに、高齢者向けのフラダンス体操の講師レッスンを受講したり。思いついたら、すぐに行動してしまうのです。その代わり、行動したからには常に考えて、勉強する必要があります。得意なことを尋ねられても、特技を挙げたり、セールスポイントを一つ述べるということができないのですが、『行動力』は、間違いなく私の強みです。
おかげさまで、本年は、トヨタ自動車様とのコラボ企画を完遂できました!!もし、一つでも公共団体などが電気自動車Eパレットを導入すると、この企画から今後につながる展開も期待できます。また、テレビ局からの取材も打診されました。まだ決定してはいないのですが、前だけを見て、がむしゃらに行動した結果、新しい展開が待っているようで、ワクワクしています。

大切な人を、大切に扱うということ
近頃、事あるごとに思い起こすのは、17歳の娘が私に向けて発した言葉です。
「家族や友人、そのほか大切に思っている人に、実際に大切に接することができるのは、ママの強みだよ」と。なかなか深い言葉で、著名人の名言を思い出す中でも、特に心に残っています。
夢は「シニアが主役になれる町」をつくること
モデルは私の母です。実は、実家のある広島で唐揚げ屋を経営しています。そこは、単なる「唐揚げ屋さん」ではないのです。地域のいろいろな方が集まって、そこでお話して帰っていく。つまり、一つのコミュニティの役割を持っています。
最近、義母が岡山から愛知へ転居し、独居生活を送っています。家族としてひしひしと感じるのは、高齢者が社会的に孤独な環境に置かれていることです。ですから、このコミュニティ作りが社会的孤独の解決の一助となればと考えています。また、意欲のあるシニアの方には働いていただいて、ビジネスとして継続したいのです。
シニアの方が活躍する場をつくって、町全体を「シニアが主役になれる町」に!今度、このアイディアについて、商工会で相談する予定です。口に出して伝えないと、「夢」で終わってしまいますから。
夢に共感してくれる仲間とともに
個人的には、これから、私の夢に共感してくれるセラピストたちと共に活動し、シニアが活躍する町づくりを実現していきたいです。
元々私は、施設でスタッフとして介護美容を提供することが一番の理想だと考えていました。入居者様の微細な変化やその場の状況に応じて柔軟に対応できるからです。しかし、2年間がむしゃらに行動してきた結果、自分には「地域」での活動が向いていることがわかりました。このように、方向性は変わっていくものですし、それは、行動することで少しずつ明らかになっていくのです。ですから、今後に見通しがつかず、不安に思うこともあるかもしれませんが、諦めずに行動し続けてほしいと思っています。その先に、向かう方向が見えてくるはずです。

板谷 ゆか梨
Itadani Yukari
- ヘルパー2級
- 福祉爪ケア専門士3級
- 活動地域:愛知県
- 豊田市のプレスリリース記事にて、活動が紹介されました。
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記事執筆
刈茅志保(かるかやしほ)
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