Interview11 【惣川 久美子】
惣川 久美子 Kumiko Sokawa

障害者施設でスタートした、栄養士時代
栄養士になりたくて、高校卒業後は、大分県内の短期大学へ進学しました。紡績工場で雇用され、私が労働を提供する代わりに、住居や学費などの面で会社から支援を受けながら通学する、というスタイルで、今と比べると一見変わった学生だったかもしれません。当時は、同じような立場の学生兼同僚が、たくさんいました。毎日遅くまで働いて、朝早くから講義を受けるのは、眠くて大変だった思い出があります。
短大卒業後、栄養士として、障害者施設へ就職しました。食事の献立を作成したり、調理をしたりして1年間勤務した頃、施設長から声をかけられたのです。
「現場で働くことに、興味はないか?」と。
それまで、介護はもとより、福祉に関する知識も経験もなかった私ですが、受けることにしました。食に関する仕事は、生涯かかわる機会があると考えたのです。一方で、子どもに関わることができるのはその時だけだと思えて。
以来、結婚後の約10年間を除いて、障害者福祉の世界で生きていることになりました。

一人ひとりに向き合うことができる介護美容
あるとき、介護施設へ研修に行く機会がありました。研修後に強まったのは、もっと利用者さんの尊厳を守った、より良い対応ができるかもしれない、という思いです。施設に入居した方が、まるで今まで生きてきた人生がなかったかのように、「認知症の〇〇さん」とだけ認識されていることに、違和感を覚えたのです。介護系の資格取得を考えていたところだったので、介護業界に不安を覚えてしまいました。その時、介護美容を知ったのです。一人ひとりに向き合って、尊厳を守ったケアを提供することができる、と。そこで介護美容研究所に入学し、ケアビューティストを取得しました。
「チャンスは、準備された心に降り立つ」
好きなアニメのセリフです。「チャンスが来たら、掴めよ」 と続くのですが 、この言葉を初めて聞いたときは、すごく心に刺さりました。介護美容と出会う少し前のことでした。 まるで、これからの私を後押ししてくれるかのような言葉に、グッときたんです。後に、DAOコミュニティの長尾さんを始め、社会で活躍するリーダーたちも同じことを言っていると感じました。「準備が9割」「営業は準備が命」など、実際に、よく覚えています。本当は、準備は苦手です。でも、目標を明らかにして進めていきたい夢はあります。
夢は、誰もが安心して過ごせる空間、場所の提供。
困っている人、窮屈な思いをしている人の味方になりたい
オレンジカフェや認知症当事者の交流会などでお会いした高齢者さんは、娘・息子さんや介護者さんなど、周囲の人へ遠慮して生活しているようでした。生活や移動手段、発言までもご自分の思うようにならない毎日……。そんな高齢者の力になりたい、そう思っています。介護している、介護を受けているなどの立場にかかわらず、高齢者も障がい者も、誰もが安心して過ごせる場所・空間を提供したいです。

日本の伝統芸能に関心が高いんです
目標は、琵琶の弾き語り!!
オレンジカフェで、DAOフィット(✳︎)をすることもあります。が、それとは別に、日本の伝統芸能や日本古来の考え方などが、とても好きなんです。狂言を始め伝統泳法など、色々学んだことがあります。そこで【DAOフィット+狂言】のコラボメニューを出したところ、大人気で!!これから、琵琶の演奏を習う予定です。介護福祉業界がより明るくなるような歌を歌いながら、琵琶で弾き語りができたら最高です。ケアビューティストがこれだけ増えた現状でも、弾き語りケアビューティストは、まだ類を見ていませんね。これから始まる琵琶のお稽古が楽しみです。
✳︎DAOフィット:リハビリの専門家が考案した、シニアを対象とした体操コンテンツ。介護施設でも導入されている、DAOオリジナルのコンテンツ。

どうか、
あなたの足を見せてください!!
本気で、人の足と向き合っています。
令和7年10月19日(日)開催(うきはの宝株式会社さん主催)、ばあちゃんのお祭り「ばあちゃんの学校」に向けて、フットケアブースの出展が決まりました。
そのイベントに向けて、本気でフットケアを極めて行きたいメンバーに、参加中、学習を深めています!
DAOメンバーでもあり、大分県で『爪切り屋さん』として活動する堀友美さんの下、半年目標、月間目標、週間目標を設定して爪切り症例を毎週提出し、セミナーを受け……。やることがたくさんあって目が回りそうですが、メンバー全員で頑張っています。
今後、「介護美容×フットケア」のDAOのブランド化を目指して、DAOメンバーが行うフットケアは安全、安心!と言われるよう、本番に向けて、引き続き頑張ります!!
症例集めにご協力いただける方、ご一報いただけると嬉しいです。
介護美容を通して関わる、すべての方へ
介護美容は、その人がその人らしくいられる力を引き出す仕事だと思っています。ケアを通して、心が少し軽くなったり、その笑顔が周りにも広がっていく。そんな前向きなエネルギーが生まれる瞬間に立ち会えることが、何よりもの喜びです。 私一人にできることは多くはありません。「私にできるのかな?」と不安に感じることもあります。けれど、ここまでやってこられたのは、「ありがとう」、「気持ちがよかった」の一言に背中を押されたからでした。無理をせず、自分のペースで、 関わるすべての人と一緒に笑顔の輪を広げていけたら嬉しいです
惣川 久美子
Kumiko Sokawa
- 介護福祉士
- ケアビューティスト
- 健康美容運動士®︎
- 認知症サポーター
- 栄養士
- 活動地域:大分県

記事執筆
刈茅志保(かるかやしほ)
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